ペット保険の落とし穴!?魅力的なペット保険の9つのデメリット
猫の生涯治療費は平均約100万円ほどといわれ、高額になりやすい治療費の負担軽減のため、ペット保険を契約・検討している人も多くいらっしゃると思います。
実際に、ペット保険に加入することで、「治療費の負担が軽減した」「満足のいく治療をしてあげられる」といった契約者の声もあります。
しかし、好評価の反面、デメリットもあります。
当ページでは、万が一に備えたいペット保険に感じられるデメリットを紹介します。
ペット保険は複雑でわかりにくい
ペット保険に限らず言えることなのですが、保険商品はどうしても複雑でわかりにくくなってしまいます。
中には、シンプルでわかりやすいプランを提供するように工夫されている保険会社もありますが、各社それぞれによって様々な条件や特徴があり、余計に複雑になっているように感じられます。
保険を契約する際にポイントとなるのは、補償割合と補償内容です。
通院・入院・手術まで対象にした割合の高いプランで、保険料が抑えられているシンプルなペット保険が望ましいです。
そこから、補償対象外になる傷病を確認することも大切です。
月々の保険料が高い
家族の一員である猫ちゃんに万が一のことがあっては大変。
治療費が高くて十分な治療が受けられないのは困るので、やはり心情としては手厚い補償を期待したいものです。
しかし、補償率の高い手厚い保険はその分、保険料が高額になり、年間約6万円の保険料がかかってしまいます。
猫の平均寿命は15歳といわれているので、0歳からペット保険を契約して15歳まで生きたとして、単純計算をすれば生涯支払う保険料は約90万円(※)支払う計算になります。
(※一例の金額です。実際に支払う金額とは異なります。)
ペット保険は支払った保険料は返ってこない掛け捨てタイプ
ペット保険は掛け捨てタイプなので、傷病によって動物病院にかかり、保険金の請求を行わない限りお金が返ってくることはありません。
月々数千円、年間数万円の保険料を支払っていくことになるのですが、もし、保険会社へ保険料を支払うことがもったいないと感じるのであれば、月々数千円を貯蓄して、有事の際に備えておいたほうがいいかもしれません。
また、考え方の一つですが、保険料を支払うことによって、『見ず知らずの猫ちゃんを助けている』逆に『見ず知らずの猫ちゃんがペット保険に入っているから助けられている』という相互関係の考え方もできます。
保険を使わないかもしれない
ペット保険を使う機会がないということは、健康的で事故もケガもなく大変喜ばしいことです。
近年ではキャットフードの質の向上、猫愛好家の増加、インターネットでの情報共有、完全室内飼育によって、病院にかかる頻度が少なくなってきているといわれています。
しかし、人間と同様に年齢を重ねるごとに免疫・体力が低下していき、病気にかかる確率がどんどん高くなってきます。
病気にかかってからではペット保険の契約できたとしても、すでにかかってしまった病気は対象外になってしまったり、年齢制限によって、希望するペット保険を契約することができない可能性があります。
免責金額に注意が必要
免責金額を設定することによって、保険料を抑えた安いペット保険を提供している保険会社もあります。
しかし、しっかりと理解せずに契約してしまうと、想定していた補償が受けられない、思っていたよりも補償金額が少なくなってしまうといったトラブルにもなりかねません。
免責金額とは、補償割合で自己負担額以外にかかる金額で、最悪の場合、補償割合と免責金額によって全額自己負担する結果になることもあります。
また、保険会社によって1日毎、1診療毎など、免責金額の条件が異なる場合があります。
治療回数が多くなりやすい通院治療の場合、免責金額があることによって、補償金に大きく影響してきます。
例えば、治療費が1万円で補償割合が70%だった場合、免責金額があると補償される金額はそれぞれ下記のようになります。
免責金額がない場合は、【 10,000×70%=7,000 】で自己負担額は3,000円
免責金額が3,000円だった場合は【 (10,000-3,000)×70%=4,900 】で自己負担額は5,100円
免責金額が1万円だった場合は【 (10,000-10,000)×70%=0 】で全額自己負担
高額な治療費を補償してほしい場合にはいいかもしれませんが、免責金額が設定されているペット保険を契約する場合は、しっかりと納得したうえで申し込みましょう。
病気やケガによっては補償されない場合がある
各保険会社によって、補償対象外となる病気やケガが設定されています。
すでに病気にかかっている場合や、先天性・遺伝性異常による傷病、ワクチン接種によって予防できる感染症、繁殖に関わる手術、歯科治療や肛門腺絞りなど、保険会社によって様々な設定されています。
また、慢性的な病気になってしまい、ペット保険を契約していることに安心しているのもつかの間、契約更新時にその病気が対象外にされてしまう「対象外特約」とされ、これから必要だというのに、その病気に関わる治療費が補償から外され全額自腹になってしまったというケースも。
こうなっては目も当てられません。
ペット保険を契約する際は、補償範囲をしっかりと確認し、比較的制限の少ない保険を選びましょう
年齢制限によって加入・継続ができない場合がある。
ペット保険に加入する際、年齢制限が設けられています。
保険会社によって制限はまちまちですが、平均的に高齢期に入る7歳ぐらいが加入リミットになっているようです。
ペット保険を検討されているのであれば、早めに検討してください。
また、ほとんどのペット保険は終身まで継続可能なプランがほとんどですが、中には上限年齢を設定している保険プランもあるので、契約前にしっかりと確認しましょう。
上限年齢は主に、超高齢期にあたる17~20歳ぐらいに設定されています。
猫の平均寿命が15歳といわれているので、問題なさそうに見えますが、年々猫の長寿化も進んできていますし、なにより、もっと長生きしてほしいものです。
上限年齢が設定されていると、そこでペット保険は打ち切りになり、これからという時に使えなくなります。さらに、その年齢からその他へのペット保険へ切り替えすることができないので、以降は無保険のまま生涯を過ごさないといけなくなります。
ペット保険を選ぶ際は終身までしっかりと補償しているかも大切なポイントです。
保険金請求に手間がかかる
ほとんどの保険会社では、一旦、飼い主が治療費の全額を支払った後、必要書類として、領収書・診療明細書、保険金請求書などを郵送して、後日振り込みによる返還されるというシステムをとっています。
保険金が振り込まれるまでに早ければ数日で振り込まれることもありますが、1ヶ月近くかかる場合もあります。
一部の保険会社では、窓口清算に対応していたり、LINEを活用した請求方法を採用している保険会社もあります。
保険金請求の煩わしさを懸念する場合は、窓口清算に対応しているペット保険を検討してみてください。
保険派・貯蓄派どっちがいいのか?
猫の生涯治療費は約100万円といわれています。
平均寿命である15歳まで生きたとすると、月々約5,500円が治療費として必要になります。
保険料を月々4,000円で計算すると、15年で72万円。
補償割合70%の保険だった場合、100万円の3割が自己負担となるので30万円。
合計で102万円という計算になります。
こうしてみると、保険に加入していてもしていなくてもあまり大差のない金額になります。
※実際には、年齢によって保険料が変動したり、治療費が対象外だったり、請求できなかったするかもしれないので、合計金額よりも高くなるかと思います。
貯蓄していく場合は、月々5,000円を猫のためのペット貯蓄としていけば、年間6万円、5年で30万、10年で60万、15年で90万円貯まる計算になります。
ペット貯蓄を始めたばかりの頃は心もとないですが、よほど高額な治療費にならない限りは、ペット貯蓄でも対応できそうです。
また、30万円をポンとだせるような貯蓄があるのであれば、ペット保険は必要ないかもしれません。
逆に貯蓄は苦手だけど、月々数千円なら余裕があるなら、ペット保険は有効な手段だと思います。
しかし、一度支払った保険料は戻ってくることがありません。ペット保険をほとんど使うことがなければ、支払った保険料は一切戻ってこないので、できることなら、貯蓄によって賄っていく方が結果的にお得になるかもしれません。
まとめ
今回、ペット保険に関する落とし穴として、デメリットをご紹介しました。
しかし、ペット保険に入っていることによって、治療費の負担が減った、よりよい治療をさせてあげることができたといった声も多数あります。
また、前任の猫が天国へと旅立った後、新たに猫を迎えた際、ペット保険の必要性を感じ、加入される方も多いようです。
ペット保険を契約する際は、補償割合や手厚い補償内容以外にも免責金額や補償対象外になる傷病など、メリット・デメリットをしっかりと認識することが大切です。