猫のヒゲは超高性能センサー!
猫のチャームポイントの一つである「ヒゲ」は、猫にとって、センサーのような役割を持っている、生活に欠かすことのできないとても大切な器官なのです。
当ページでは、あまり知られていない謎の多い猫のヒゲについてご紹介します。
猫のヒゲとは?
猫のヒゲは体に生えている被毛よりも2倍も太く、3倍も深くから生えていて、たくさんの神経が集中しています。「触毛」とも呼ばれていて、人間にはわからない微妙な変化にも敏感に感じ取ることができます。
これによって、空気の流れを感じ取り、物体との距離や方向、物体の表面の材質なども判断して、真っ暗闇の中でも障害物にぶつかることなく移動することができるのです。
猫にとってヒゲは平衡感覚を保ち、空間を把握するためになくてはならない存在なのです。
実はいろんな所に生えてる猫のヒゲ
猫の「ヒゲ」と聞いて一番最初に思い浮かべるのは、口元の横(左右)に生えているヒゲを一番にイメージすると思いますが、実は、猫のヒゲは複数か所に生えています。
上唇毛(じょうしんもう):マズル(口吻部・鼻と口の間)に生えている毛で、いわゆる猫のヒゲとして連想される部分。左右で約24本のヒゲがあります。
口角毛(こうかくもう):口の端に生えている1~2本ほどの毛。
下唇毛(かしんもう):「頭下毛」などとも呼ばれるあごの下に数本生えている短いヒゲで、見えにくい場所に生えていますが、体勢を低くして移動する際に喉をキズつけないようにする役割があるようです。
上毛(じょうもう):目の上に生えている長いヒゲで、左右約12本生えています。主に障害物やゴミなどから頭部や目元を守る役割を持っています。
頬骨毛(きょうこつもう):頬のあたりに生えている1~2本のヒゲで、狭いところ通る際に通り抜けれるかどうかを判断する役割を持っています。
足の毛:前足の足首あたりに数本生えている少し長い毛も実は洞毛と呼ばれるヒゲなのです。左右合わせて約6~8本生えていて、捕まえた獲物を逃がさないために微妙な動きを察知したり、障害物をよけるセンサーのような働きを持っています。
猫のヒゲがなくなるとどうなるの?
ヒゲが長くて邪魔そうだからと言って、絶対に抜いたり切ったりしてはダメです。
猫にとってヒゲは生死にかかわる重要な役割を担う器官です。
もし、今まで生えていた猫のヒゲがなくなってしまったら、平衡感覚や距離感覚がわからなくなってしまい、まっすぐ歩くこともままならなくなり、障害物にぶつかりやすくなったり、ジャンプできなくなったりと猫の生活にかなりの支障が出てしまいます。
神経質な猫の場合、食欲が薄れ元気がなくなり、じっとうずくまって、その場からまったく動かなくなってしまいます。
猫のヒゲが抜けてるけど大丈夫?
猫のヒゲは、換毛期に猫の毛が抜けるのと同じように、ある程度の時期が来ると自然にヒゲが生え変わります。
生え変わりの際は、一気に抜けることはなく、新しいヒゲが生えて来てから、古いヒゲが抜けることによって、残っているヒゲや新しく生えてきた短いヒゲで、いつもと変わりなく過ごすことができます。
体調の変化もなく、自然に抜け落ちているのであれば、何も心配することはありません。
しかし、急にたくさんのヒゲが抜けてしまった場合は、注意が必要です。
過度なストレスが原因で脱毛症に陥ってしまい、被毛やヒゲが抜け落ちてしまったり、ニキビダニ症や猫エイズ(猫免疫不全ウイルス感染症)に感染している可能性もあります。
ストレスによる抜け毛であれば、そのストレスを解消してあげれば改善されるかもしれませんが、いずれにしても、猫の様子がおかしいと感じたら、早めにかかりつけの獣医師に相談し、診てもらうことが大切です。
猫のヒゲは運気アップのお守りに!
「猫のヒゲがお守りになる」なんて話を聞いたことないですか?
猫は古くから魔除けや厄除け、商売繁盛など幸運の象徴として言い伝えられ、そんな縁起の良い神秘的な動物にあやかるため、猫の一部である抜け落ちたヒゲを持ち歩いたといわれています。
猫好きの間では、自然に抜け落ちたヒゲはめったにお目にかかれない縁起物として大切に保管したり、お守りとして持ち歩いている人もたくさんいます。
そんな猫のヒゲには諸説ありますが、有名なもので「金運アップ」のご利益があり、その他にも「恋愛運」「厄除け」などのご利益が期待できます。
しかし、いますぐ欲しいからと言って、無理に抜いたり、切ったりしてはいけません。ご利益はないし、猫に嫌われるし、でいいことはありません。
もし、自然に抜け落ちた猫のヒゲを見つけたら、運気アップのお守りとしてお財布やお守りに入れて持ち歩いたり、保管してみてはいかがでしょうか。
amazonでは、桐箱でできた猫のヒゲ専用の保管ケースやユニークなオブジェなんて物も売られています。
猫のヒゲ専用天然高級桐箱
1,480円
通気性がよく防カビ・防虫効果に優れている天然桐を使用した高級猫ひげケース。
猫専用猫のひげスタンド
2,900円
ある程度のヒゲがたまると猫の尻尾が完成する陶器で作られた猫のひげを飾るためのスタンド。
猫のヒゲで見る感情の変化
猫のしっぽや耳の状態を見ることによって猫のその時の感情を知ることができますが、じつは、ヒゲの状態によっても感情の変化を見ることができます。
鼻の横のヒゲ(上唇毛)は筋肉とも繋がっているため、ヒゲを動かすことができ、その時々の気持ちによって、ヒゲの動きにも変化があります。
- 前方にヒゲを突き出している
- 興味を示している
- 興奮している
- 警戒している
- 不機嫌になっている
- ヒゲが横いっぱいに広がっている。
- 周囲の様子をうかがっている
- ヒゲが上を向いている
- うれしい・上機嫌
- 満足している
- 後方、顔に沿ってヒゲを倒している
- 満腹になっている
- 満足している
- 顔に沿ってぴったりとヒゲを倒している
- 恐怖を感じている
- 外敵からヒゲを守ろうとしている
- ヒゲが垂れ下がっている
- リラックスしている
- 暇、退屈な時
- 寝ている、眠たいとき
猫のヒゲの動きにもいろんな感情パターンがあるようです。しっぽの状態や耳の状態との組み合わせによって猫の感情をしっかりととらえてあげることができるかもしれません。
まとめ
猫のチャームポイントであるヒゲは、周囲の情報を探知するために、とても重要な器官で、猫にとって生活に欠かすことのできない大切なものでした。
また、猫は昔から神秘的な生き物として崇められ、ヒゲをお守りにすることによって運気アップや商売繁盛のご利益があると言い伝えられてきました。しかし、ご利益にあやかりたいからと言って無理にぬいたり、切ったりするのはもってのほかです。
お守りにする場合は自然に抜け落ちた猫のヒゲを使い、恩恵があることを信じましょう。