猫の爪について、構造を知ろう
猫の爪は、獲物を捕らえるため、木に登りやすくするため、鋭く尖っていて、玉ねぎのような幾重にも重なった構造をしています。
大まかに外側と内側に分かれていて、爪をよく見てみると、付け根あたりからピンク色の部分が伸びているのがわかると思います。これが内側の「クイック」と呼ばれる神経や血管が通っている層です。爪切りを行う際は、このクイックを傷つけないように注意しましょう。
猫が爪とぎをしたり、噛んだりして、一番外側の古くなった爪を剥ぎ落し、常に新しい鋭い爪を維持しているのです。
しかし、飼われている猫ちゃんの場合、鋭い爪があることによってさまざまなトラブルの原因にもなりかねません。
当ページでは、猫の爪切りの必要性や爪切りの選び方、爪切りが苦手な飼い主や猫ちゃんのために、簡単にできる爪切りの方法をご紹介します。
猫の爪を切る必要性
猫の爪は、獲物を捕らえたり、木に登りやすくするため、鋭くとがっていますが、室内外の猫の場合は、そこまで鋭い爪は必要ありません。逆に、鋭い爪のままだと、飼い主や家族、同居猫を傷つけてしまったり、家具や壁・床などを傷めてしまう原因となってしまいます。
また、爪とぎが苦手な猫の場合、猫自身が爪を処理しきれなくなり、伸びてくる爪を放置した結果、巻き爪状態になり、気付いた時には自身の肉球へ爪が刺さってしまったり、根元からポキッとおれて大出血なんてことも・・・。
猫にとっても、爪がしまえなくなってしまうと、歩きにくいですし、大変なストレスを感じることでしょう。
飼い主様のためにも、猫ちゃんのためにも、定期的に爪のケアを心がけましょう。こまめに行うことが大切です。
猫の爪切りの選び方
猫の爪切りには、主に「はさみタイプ」、「ギロチンタイプ」、「ニッパータイプ」の3種類のタイプがあります。それぞれ、長所・短所があるので、いいところ悪いところを理解して、飼い主様や猫ちゃんにあった爪切りをつかいましょう。
はさみタイプ(仔猫、柔らかい爪)
仔猫や爪の柔らかい若い猫向けのはさみタイプの爪切りは、お裁縫に使う小さいハサミのような見た目をしています。日ごろ使うハサミと同じ構造をしていて、比較的使いやすく値段もお手頃なタイプです。
仔猫の頃から爪切りで使い慣れているから、そのまま成猫になっても使用しているという方も多くいらっしゃいます。
比較的小さいタイプのものが多いので、指が太い、男性の方などは使いにくく感じることもあるようです。
また、爪を切る際に力が均等にならいないことが多く、爪が硬くなった成猫や老猫は爪が割れてしまう可能性もあります。はさみタイプが使いにくい、切りにくく感じてきたら、その他のタイプを検討した方がよさそうです。
ギロチンタイプ(どんな猫にも)
獣医さんやトリマーさんも多く愛用するギロチンタイプの爪切り。先端に丸い穴が開いていて、そこに猫の爪を入れて、グリップを握ることで爪を切ることができます。
爪を切る力が均一で、かたい爪でも簡単に、スパッときれいに切ることができるので、爪が割れてしまう心配がありません。
また、爪を切った際に出る「パチッ」という音・衝撃が少ないので、敏感な猫にはストレスを与えることも少なくなります。
基本、全てのライフステージ、ほとんどの猫に使用することができますが、爪が太かったり、巻き爪だった場合は、穴に爪が入れにくく爪切りが困難になりますので注意が必要です。
ニッパータイプ(巻き爪、太い爪)
その名の通り、工具のニッパーと同じ構造をしている爪切りです。あまり力を使わずにとてもきれいに切れるので、はさみタイプやギロチンタイプが苦手な方や初心者の方にもオススメのタイプです。
太い爪や巻き爪もキレイに切る事ができるので、大きな猫を飼っているのであれば、重宝すること間違いなしです。また、切った際に出る音も比較的小さいのも特徴です。
あまり力を使わずに切ることができて、とてもキレ味が良いため、神経や血管が通っているクイックを誤って切ってしまわないよう細心の注意が必要です。
簡単にできる猫の爪切りの方法!
まずは、猫ちゃんに爪切りを行う方法ですが、あまり深く切らずに、先端の鋭い部分(2~3ミリほど)だけに留めましょう。爪切りの期間を延ばしたいと思って、深く切りすぎてしまうと痛みを伴ったり、出血の原因にもなりますし、猫ちゃんが爪切り嫌いになってしまいます。
猫ちゃんに爪切りを行う際は、猫がリラックスしているときに、膝の上に抱え、爪切りが猫の視界に入らないよう注意しながら行いましょう。
爪を切るポイントは、優しく肉球を押し、爪をだして、先端から2~3ミリほどの尖っている部分のみ切ります。
拘束を嫌う猫は、長時間抱きかかえることを嫌います。また、爪切りの期間を延ばしたいと思って、深く切りすぎてしまうと痛みを伴ったり、出血の原因にもなりますし、猫ちゃんが爪切り嫌いになってしまいます。深爪しないように注意しつつなるべく手早く、行うように心がけましょう。
途中で猫が爪切りを嫌がる場合は、諦めも肝心です。無理に続行せずに、時間をおいて、再度リラックスしたタイミングを見計らってトライしてみてください。
深く切りすぎてしまい、出血した場合は、清潔なガーゼや脱脂綿などで圧迫止血する。なかなか止まらない場合は、ペット用の止血剤を使用するなどの方法があります。爪切りが不慣れな場合や爪切りの際暴れてしまう場合は、予め常備しておくと安心です。
もし、爪切りにてこずってしまうようだったら、下記のような方法を試してみるのもいいかもしれません。
首をつまんで爪を切る
猫は、首の付け根、肩あたりとつままれるとおとなしくなる習性があります。この習性を利用して、一人がつまむ役、一人が切る役で二人がかりでおとなしくなったし瞬間にパパっと爪切りを済ませてしまう方法です。
一人暮らしなどの方は、大き目の洗濯ばさみで挟んで行うこともできますが、見た目的にもかわいそうですし、加減もわからないので、友人や家族の方などに手伝ってもらって、二人でやられることをお勧めします。
首をつまんで持ち上げる必要はありません。決して宙ぶらりんにして行わないようにしてください。
洗濯ネットで包む!
100円均一などで売られている大き目の洗濯ネットを使用する。猫が入るほどの大きさの網目が粗いタイプがオススメ。
ネットに入れることで、猫が暴れてしまう場合でも被害を最小限にとどめることができます。
猫をネットに入れて、猫の後方から足をもち、網目の隙間から爪を出して爪を切ります。バスタオルなどで包んであげると爪切りも見ることがなく、おとなしくなるので効果的です。
熟睡中に切る
起きているときに爪切りをすると暴れてしまう場合は、熟睡中を狙って爪切りをするのも一つの方法です。
熟睡中に忍び寄り、猫に触れてしまうと起きることがあるので、触らないように気を付けつつ、爪切りに気づかれないように、はみ出している爪に対して手早く爪切りを行います。
触ってしまうと猫が起きてしまうので、しっかりと爪切りをしたい場合は、他の方法を検討しましょう。
おやつで釣る!
猫ちゃんが大好きなおやつを食べている間に爪を切ってしまう方法。一人でもできなくはないですが、二人がかりで行うことをお勧めします。
まず、一人が猫ちゃんを膝に抱え、おやつを小出しに少しずつ与えていきます。猫ちゃんがおやつに夢中になっているすきにもう一人が爪を素早く切ってしまう方法です。
この方法のいいところは、爪切りを行うといいことがあると学習するので、爪切りを嫌がらずに比較的爪切りに応じてくれるようになることです。そうなってくると、おやつを準備してチラつかせている間に一人で爪を切ることもできます。
どうしてもできないときは!
どうしてもできないときは、最後の手段です。獣医さんかトリマーさん、ペットシッターさんにお願いしましょう。
この方法は、予防接種などの病院にかかった際、シャンプーなどトリミングをお願いする際、ペットシッターにお留守番をお願いする際、などに合わせて爪切りを行ってもらう方が多いようです。
料金は各々異なると思いますが、概ね500~1,000円ほどです。お願いする際は確認してみてください。